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オリジナルの手製の靴作りをする『そのみつ』は現在、東京都台東区谷中(4-4-27 1F)と福岡市中央区大名(1-11-27 込風荘2F7号)に2つの店舗を構えている。 『そのみつ』の中心となる園田元氏は13年前に浅草の靴メーカーに就職した。そこは靴を大量生産し、卸による販売を行うメーカーで、園田氏は取引先の要望の靴を企画したり、靴の企画の絵コンテを描くような仕事に携わった。すぐに自分が思い描いていた靴作りとのギャップを感じはじめ、一方で靴の職人さんやいろいろな人に出会う中で"靴を作る"ことへの思いが強くなっていた。そして2年後にそのメーカーを退社して、手製の靴を作る人との出会いもあり、会社を立ち上げることになった。会社の基盤としてある程度の量産の靴作りをしながら、自ら手製の靴作りを行い経験も積み重ねた。
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そしてある時期を機に量産の靴作りを止め、手製の靴の生産のみとなった。その当時は多くのメーカーが中国等へ生産をシフトさせた結果価格競争を招き、靴メーカーの過当競争が起こっていた。そして靴メーカーとしての本来の機能が失われつつあった。そういう中で『そのみつ』は靴メーカーとして原点へ帰るべく、革の表情を生かしたり履き心地を追求した靴の製造を行うことができる手製の靴作りに専念するようになった。
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靴は履くものであり、履き心地良く履けるかどうか、革は場所によって表情が違うものでそういう違いを生かして作られているかどうか、そういう当たり前のことが行われていた生産の現場では機械が発達してだんだん便利になり、次第に効率ばかりが追求されるようになった。その効率性を得られた半面、履き心地や革の表情の生かし方などへのこだわりが失われて、作り手の思いが伝わるような靴がどんどん少なくなっている。その点、手製の靴作りでは履き心地をよくするためにいろいろな方法で手を加えられたり、縫製の際に目を丁寧に細かく縫うことで丈夫に作ることができる。また履く人の足にあわせて可能な限りの調整が可能である。しかもそれらを当たり前にできるのが手製の靴であり、そうできるのだから靴本来の機能まで失って効率を求めるのではなく手製でしっかりと作ればよい。そんな思いから、そういう部分にこだわって手で製造しているのが園田氏の考えである。
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[上:右]ベースとなる木型。実際は採寸した足の特徴に合わせて肉付けするなどの調整が行われる。 [下:左]製作過程の靴 [下:右]完成したレディースの靴 |
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またメーカーは小売店を通しているため顧客と直接の接点がない。顧客が本当に満足できているかどうか、そして満足してもらい顧客とつながることができているのかどうかという疑問や、直接足を図って製作からリペアまでトータルなサポートをしたいという思いから店舗を構えるようになった。そして店舗の奥では日々靴の製造や修理が行われている。実際に店舗を構え、いろいろな人の足を採寸して靴作りをすると驚くほど細い足の人が多いし、特徴が様々である。標準の木型で作る靴ではとても満足のいく履き心地など提供できるものではなく、標準の木型に肉付けをしたり削ったりと様々な対応が必要なことも実感し、現在ではそういうデータの蓄積も進んでいるという。『そのみつ』では採寸の際には足型をとり、長さや幅などを図り、さらに特徴などを細やかにメモする。その上でさらに仮に製作した靴に足入れをして調整した上で最終的な製作に入る。徹底して履き心地を追求している。園田氏曰く、それらは当たり前のこと、であり、それを当たり前に行っているのが『そのみつ』の靴作りなのである。
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写真は2006年の新作。 『そのみつ』のWEBサイトでその他のアイテムが公開されています。 採寸後、靴のタイプと革を選んでオーダーし、約2、3ヶ月で完成となります。
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そういう取り組みから現在は園田氏が考える"顧客に満足してもらえる状況"に近づきつつあるようだ。そういうことを積み重ねつつ、新しい何かを取り入れながらオリジナルの靴を進化させていきたいと、園田氏。また靴だけに限らず西欧的な影響を受けるものが圧倒的に多い中、そういう西欧的なものを消化しつつ日本独自のものもできてもいいんじゃないかなあ、という思いもあるそうだ。そんな靴作りに共感された方は採寸から履きつぶれてしまうまで『そのみつ』とその靴と長いお付き合いをしてみてはいかがでしょうか。
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- April 2006 -
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