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インターネットでセミオーダーのトートバッグを販売している『みつばちトート』は、ネット販売のシステムそのものを提案する仕事をしていた束松陽子さんによってはじめられた。
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『みつばちトート』誕生のきっかけは1998年頃に遡る。当時あるインターネットプロバイダーに勤めていた束松陽子さんが偶然通りかかった道で帆布製品製造の職人さんに出会う。再び通りかかった時に、開いていた扉の中の職人さんと目が合ってしまい工房に入ることに。そして口をついて「バッグを作れますか?」という話をしてしまう。そこはメーカーを主たる顧客としている工房で、一見さんお断り、ましてや個人の注文などを受けるようなところではなかった。話をするうちに「ある程度の数量があるなら」ということになり、友人と自分達で使うバッグを作ってみようと、その工房のあり合わせの帆布ではじめてのバッグを発注することになる。ただ仕上がりは想像していたものとは違っていた。それでも作ってもらったという満足感でいっぱいだった。
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束松さんの仕事は、ネットショップを開きたいユーザーのためにシステムを提供するというもので、開発途中にあった。開発を進めるうちに、商品在庫をなるべく持たず、運転資金を抑えたビジネスができるんではないかと思いついたが、会社の仕事として実現することは難しく、アイディアをあたためていた。
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そんな頃に帆布の職人さんに出会い、トートバッグの製作を依頼し、出来上がったものを手にする。それ以来、足繁く職人さんの工房へ顔を出すようになる。少しずつ親しくなり、職人さんの仕事やその工程などを知ったり、試作バッグを作ってもらったりするようになった。
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そしていよいよ束松さんと職人さんとで作るトートバッグを販売する機会が巡ってくる。料理研究家の福田里香さんが主宰するフードイベントでバッグを売ってみないかと誘われた。以前束松さんがプレゼントしたトートバッグを、福田さんが気に
入ってくれたのがきっかけだった。そのイベントはオールナイトで映画を見ながらカレーを食べるというもので、それにちなんで"りんごバージョン"と"はちみつバージョン"という色の組み合わせが違う2種類のトートバッグを作り、販売。思いのほか評判がよく、あっという間に完売してしまった。
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そのイベントでの結果は束松さんを後押しすることとなり、2001/11に『みつばちトート』として本格的な活動を開始することとなる。ちなみに『みつばちトート』の名前の由来は、酒屋さんの前掛けや1升ビン入れの袋を作っていた職人さんが作るバッグということから、働くバッグ、道具としてのバッグをイメージし、束松さんが思いついたイメージにぴったりだったのが"みつばち"であったことから『みつばちトート』と命名された。
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安い、早い、手軽というコンセプトが主流であったネットショップの風潮とは逆行する、受注生産によって販売するネットショップ。手に入れることが困難だからこそ価値を感じるという自身の感性と、待ってでも手に入れたいと思う人や物を大切にしようと思ってくれる人がきっといるということを信じて動き出した。
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色を組み合わせて発注するセミオーダーのトートバッグの販売を開始後、フードイベントで知り合ったライターの方によって雑誌で紹介されるなどして、少しずつ知られる存在となってくると『みつばちトート』も忙しくなってくる。ついには片手間で出来る範疇を超え、『みつばちトート』の仕事1本にしぼるために会社を辞める。
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[上:左]8スタジオ限定の麻帆布によるトートバッグ。 [上:右]ネットショップでも購入できる定番の型の8スタジオ限定商品。「8スタジオ」限定品はこちらを。 [下:左]みつばちトートsandwich。裏地にはあのプリント生地が。 |
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以来、月によって注文数の波があるものの、待ってでも注文してくれる人がいるということを実感しつつ、セミオーダーによる注文販売をベースに多くの『みつばちトート』バッグを世に送り出してきた。そして2005年8月にはいよいよ神宮前に路面店「8スタジオ」をOPENすることとなる。訪れた顧客が実際に手に取り、いろいろと試し、人を通して作り手が込めた思いやバックグラウンドなどを伝える。ネットショップではできなかったサービス、ホスピタリティを提供していきたいと考えている。
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今後はとにかく魅力的な商品を充実させていきたいと束松さんは考えている。誰かが作ったものを仕入れて売るのは簡単だが、そこには作り手の込めた思いやバックグラウンドが見えない。束松さんが一番大切にしたいのは、作り手と顧客と束松さんの正三角形のバランスを保つこと。それは作り手がしいたげられたり、売れればよいという商品を顧客に提供することのない物作り。三者が対等でいられるような商品を提供していくことである。
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また束松さんにはもう一つ取り組みたいことがある。それは、《型で抜いたような、すべて同じ形のもの》でなければ商品じゃない、というような考え方を変えていくことである。例えば帆布一反には5つの糸の結び目がある。商品を作る際にその結び目が見えていたら、それらはB級品として扱われることになる。しかし、素材や製造過程、職人のくせなどを説明しながら、B級品として捨てられるものではなく、"味のある人の手がかかったモノ"と感じてもらえるようにしていきたいと考えてる。
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まだまだOPENして間もない「8スタジオ」や『みつばちトート』WEBを通じて、束松さんをはじめとするスタッフによってこれからもどんどん新しい提案があることでしょう。まずは『みつばちトート』WEBのほのぼのした雰囲気をちょいとのぞいてみてください。
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[上:左]4ヶ月間使い込んだバッグ。 [上:右]若干縫い合わせがずれているバッグ。ただ束松さんはこういうところから職人さんが手作業で作ってくれているということを実感したりする。曲がったキュウリは商品じゃないというような考え方を変えて行きたいという。 [下:右]8スタジオでは道具としてのバッグに実際にいれる物をサンプルとして置いてあり(写真中央のテーブルの上の物)、自由に物を入れて自分の使い勝手を試すことができる。 その他にも各種イベントやワークショップが開催されたりするので、興味のある人は「8スタジオ」NEWSを確認してみてください。
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- August 2006 -
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